きもの選びに役立つ基礎知識



こんな時どんな着物を着たらいいの? 普段着ない着物だと、わからない事もたくさん。
敬遠する前にちょっとこのコラムを読んで見てください。
知識をちょっと入れるだけで、着物の面白さに気付くかも。



着物は礼装から普段着までさまざまな種類があり、素材や、染・織によって着物の『格』が生まれます。それぞれのシーンにどのような着物が相応しいか、お客様のお好みやご要望に合わせ、当店スタッフが責任を持ってアドバイス致します。
留袖

黒留袖:ミセスの第一礼装です。結婚式や披露宴に列席する新郎新婦の母親、仲人夫人、親族の既婚女性が着用します。色留袖:未婚者も着られる祝儀用の第一礼装で、黒留袖と同格です。

振袖 未婚のお嬢様の第一礼装です。花嫁のお色直しや成人式、謝恩会、新年会、結婚披、露宴の列席等に着用します。
黒喪服 葬儀や告別式の喪主、家族、参列者が着用する第一礼装です。
訪問着

未婚・既婚の区別はなく、留袖、色留袖、振袖に代わる略礼装です。結婚式、パーティ、年賀、お見合い、結納、茶会、目上の方を訪問するときなど、幅広く着られます。


袷(あわせ)の季節 ※裏地のある着物

3月・4月・5月初旬

春を代表する色は、桜の薄いピンク、新緑の若葉の色や春の草花のやさしげな色などで
す。着物の色も心を明るくするようなパステルトーンが風景によく合い、着る人を引き
立てます。また柄は、時季の草花よりやや早めのものを選ぶのがならわしです。


10月・11月
色使いは初秋と同様ですが、柄で秋らしさを工夫するのもお洒落です。秋の風物や実もの、また紅葉などの草花も秋をイメージしやすいですね。

12月・1月・2月

寒に入るこの時期は寒さが厳しくなりますから、見た目にも暖かく、深めの色合いのものを選ぶと良いでしょう。またこの時季のお洒落には、コートが大切なアイテムになります。コートがなければ、洋服で使うショールやストールなども兼用できます。

単(ひとえ)の季節 ※裏地のないもの
初夏
5月・6月

緑が一段と色を重ね、自然はひと色濃くなります。単の季節の始まりは、そんな自然の色に合わせて、キリッとした寒色系の色使いでスタートすると良いでしょう。

初秋
9月・10月初旬
この時期、色づき始めた野山の葉の色にちなみ、ゴールド系の入った温かみのある色や、枯葉色、黄土色、抹茶色などの、しっとりとした落ち着きのある色合いを基調にして、秋らしい印象を大切にした装いがお勧めです。

薄物の季節

盛夏
7月・8月

光線をはじく白を基調に、水のせせらぎや風の音が聞えてきそうな、透明感のある涼感を感じさせる装いを工夫します。



下着は直接肌に触れる衣類のため、レンタル商品としてのお取扱いはございません。
店内でご購入も可能ですので、スタッフにお申し付け下さい。

足袋 足袋の選び方 靴より多少小さめのサイズを選びます。既製品で探すなら、足の長さ・幅・足首回りを測って、合うものを選びます。
足袋の種類 キャラコの四枚こはぜならどんな着物にも合います。白足袋は礼装にも普段着にも使用できるので、着物初心者の方には白足袋をお勧めします。個性的なお洒落を楽しみたい方は、着物に合わせて刺繍足袋や色足袋を合わせるのも楽しいでしょう。
肌襦袢

肌襦袢は着物の下着の一種で、肌と長襦袢の間に着用し、双方を程よくなじませ、着崩れを防ぐ役割を果たします。肌に直接触れるものなので、汗を吸収する肌ざわりの良いものを選び、また洗濯にも耐え得る丈夫な素材であるものを選びましょう。
晒木綿(さらしもめん)の単衣仕立てはこうした条件にぴったりで、昔も今も、肌襦袢の主流となっています。

裾よけ

着物の裾が傷まないようにと、江戸時代に考案された実用性の高い下着です。肌襦袢と同様肌に直接触れるので、通気性・吸湿性の良いものを選びます。 素材は絹・綿・キュプラ・レーヨン・ポリエステルが一般的ですが、夏用には涼しげな絽・縮・麻、冬用には保温性の高いネルやモスリンなどもあります。 色は白、ピンク、ブルーから小紋柄まで豊富ですが、礼装用として使用するなら白や淡い色目が上品です。


衿元のお洒落〔半衿〕
半衿

半衿は長襦袢の衿の部分に縫いつけ、着物の衿に汚れがつかないようにカバーする役割のほか、着物の色柄をより強調する役目も果たします。
●白半衿/白刺繍衿:主に礼装用。留袖や振り袖、訪問着、付け下げなどは、白が正式です。

●色半衿/刺繍衿:地味な着物を明るく見せる効果があるので、紬や木綿の着物に適しています。TPOに合わせ、また着物の色や柄との調和を考えて使い分けましょう。
伊達衿(重ね衿)

着物を二枚重ねて着たように見せるための別衿のことを、「伊達衿」または「重ね衿」と言い、衿元を華やかに飾ります。主に振袖・訪問着・付け下げなどの礼装用の着物に用い、また衿元に重みを付けるために、小紋などの染めの着物に使うこともあります。

帯回りの小物
帯揚

着物と帯の間にふんわりと結んで入れる小物です。絞りや綸子、縮緬などを着物の格に合わせて選びましょう。


●フォーマル…第一礼装の黒留袖には白の帯揚げが決まりです。最近は白の総絞りに金銀箔を用いた豪華なものもあります。

●セミフォーマル…訪問着や付け下げ、色無地などの着物を礼装として着る場合は、絞りや綸子などの素材で品格のある色柄を選びます。帯の色に調和する、薄い地色のものが上品です

●カジュアル…紬や小紋の洒落着は、帯揚げ一つで着こなしの雰囲気が変わるので、まずどう装いたいかを考えましょう。優しくはんなり見せたいなら、着物の中の一番淡い色と帯揚げの色を合わせると効果的です。また、粋に装いたいときは渋みのある色を効かせ、着物と帯の色から離れた強い色を合わせると、個性的な印象の装いになります。

帯締

帯揚げと並んで着物姿の仕上がりを左右する大切な小物です。
平組と丸組が代表的、その他に丸ぐけなどもあり、格と色で選びます。

帯締 平組

帯締 丸組 丸ぐけ

●フォーマル…黒留袖や色留袖の礼装用には、白に金糸をプラスした格調の高い豪華な帯締を。また振り袖には、帯に負けない幅広タイプの平組や、金糸を使った丸組み、布に綿を入れてくけた丸ぐけを合わせると華やかになります。

●セミフォーマル…訪問着、付け下げ、色無地などには、着物や帯の色と調和しやすいものを選びますが、礼装用に着る場合は貧弱に見えないよう、金糸使いのものや、幅広のもの、ボリューム感のあるものを合わせましょう。

●カジュアル…紬や小紋の洒落着の場合は、着物姿のポイントになるような、大胆な色もお洒落です。帯を目立たせたければ帯と同色濃淡を、着物を目立たせるなら帯・帯揚げ・帯締を同じ系統の色で合わせます。

草履

草履には大きく分けて3種類、留袖や振り袖に合わせる「礼装用」、訪問着や色無地に合わせる「準礼装用」、小紋や紬に合わせる「お洒落用」があります。

●礼装用…かかとの高さは5cm前後が目安。錦織、唐織、綴織などの布製、または皮革に金粉、銀粉、金箔などをあしらった華やかなものがあります。

●準礼装用…かかとの高さは礼装用と同じ5cm前後、台も鼻緒も同色、或いは同素材で礼装用よりお洒落度の高いものを選びます。

●お洒落用…気軽なお出かけに履くので布製や革製のほか、爬虫類なども。着物や小物の色に合わせたり、反対色を効き色に用いたり、自由に選べます。かかとの高さは3~4cm、台と鼻緒が同じでなくても構いません。


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